3 授業実践例
「サン・アースくん」を授業に活用した事例や生徒たちからのアンケート結果・要望を紹介する。
(1) 授業について
授業日時:平成18年12月13日
場 所:鹿島市立東部中学校
教 科:選択理科
生 徒:3年生20名
授 業 者:山田 洋
・ 指導案等は前述した「サン・アースくんの授業活用事例」の山田洋分を使用した。
・ 生徒たちは透明半球を使って太陽の動きを地球上からの観測はしているが、地球の外から見た図はまだ学習をしていない。地軸の説明からしていかなくてはならない。
・ 授業内容を要約すると次のようになる。
全体の共通課題として「サン・アースくん」を利用し、生徒自ら地軸の傾きの値を見つける。地軸の傾きについて理解できたら、次に、生徒個人個人で「サン・アースくん」を利用し、以下のような個別課題に挑戦する。
個別課題例 ・ 南半球の昼の長さ、夜の長さを調べてみよう ・ いつも昼の部分をさがそう ・ いつも夜の部分をさがそう ・ 地軸の傾きが90 度(天王星)の場合を調べてみよう ・ 地軸の傾きが180 度逆転した場合を調べてみよう ・ 日本(世界)各地の日の出、日の入り、昼の長さ、夜の長さを調べよう ・ 佐賀での日の出、日の入り、昼の長さ、夜の長さを調べよう ・ 日本(世界)各地の南中と高度を調べよう ・ 佐賀での南中高度を調べよう ・ 佐賀での日の出、日の入りの1年間の変化を調べよう |
(2) 授業後のアンケート結果について
授業後、「サン・アースくん」の利用や授業内容について生徒たちにアンケートを行った。質問内容は以下の5項目に絞った。
1 地名や世界地図から観測地を選ぶことができるのは便利であった。 2 南中高度の図はわかりやすかった。 3 地球の外から見た図(公転の図)はわかりやすかった。 4 地軸の傾きを出すことは簡単であった。 5 課題を解決することはやさしかった。 |
生徒は、これらの質問に対して次の4段階で評価をした。
4 そう思う, 3 だいたいそう思う, 2 あまりそう思わない, 1 そう思わない |
その結果を以下に示す。
「サン・アースくん」は緯度・経度の入力を地名や世界地図から選ぶことができたので、すべての生徒が便利であると感じている。
南中高度の図は大部分の生徒はわかりやすかったと答えているが、わかりにくかったと答えている生徒もいるので、どこがわかりにくかったかを検討する必要がある。
地球の外から見た図も大部分理解はしているようだが、初めて学習するので、理解が十分でない生徒もいた。
地軸の傾きは、意外と簡単に求めることができた。23.4度と正確に少数第1位まで求めるのに苦労している生徒もいた。
個別課題についても、比較的簡単に解決できたようだ。ただ、時間が足りなくて難しかったと答える生徒もいた。
(3) 「サン・アースくん」に対する要望について
生徒たちに「『サン・アースくん』にもっと付け加えてほしい機能とか、改良した方がよいところがあったら書いてください。」との質問のアンケートについては、「操作が簡単なので、改良する必要はない」という意見もあったが、以下のような要望も出てきた。
・ 立体的な地球儀を付け加えて欲しい。 ・ おもしろい絵を入れてみたりした方がいいなと思った。 ・ 世界の国名を増やして欲しい。 |
今後の改良の参考にしていきたい。
最後に、稚拙な本研究に多大な助成をして頂いた、上月情報教育財団ならびに関係各位に深く感謝します。
参考資料
1) 「マイコン宇宙講座」中野主一 著,廣済堂,1980
2) 「昼の長さ夜の長さはなぜ変わるの?」 http://www.saga-ed.jp/workshop/edq01460/
3) 「サン・アースくん」 http://www.saga-ed.jp/workshop/edq01460/a-su/
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