昼の長さ夜の長さ、地軸の傾き等に対する質問とその回答です。また、これらに対する質問を受け付けます。下記までメールにてご連絡ください。 |
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先生のサイトの「Q&A」で勉強させていただいています。お忙しい所恐縮ですが、一つ教えていただけないでしょうか? 私の疑問: 先生のサイトのQ&Aの中に、「愛知県40歳の男性」のQ&Aがあります。実は、私も「地軸と南中時刻の関係が分からず、悩んでいました」先生の解説は理解できました。 「見かけの公転速度」はよく分かりました。「見かけの公転速度」は春分・秋分で最も遅く、夏至・冬至で最も速くなるのは理解できました。 ここで湧いた新たな疑問は、(先生の「南中時刻」のグラフの中の)「地軸の傾き効果の曲線」を見ると、春分・秋分・夏至・冬至でいずれも南中時刻が12時になっています。 「見かけの公転速度」が「春分秋分」と「夏至冬至」で大きく違うのであれば、例えば「夏至冬至の時に南中時刻が早くなり、春分秋分で南中時刻が遅くなる」、というようなことになりそうな気がします。 私がどこか間違っていると思うのですが、この問題(「南中時刻」と「見かけの公転速度」の関係)はどう考えればよいのか教えていただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。 (千葉県在住の後期高齢者さん) |
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私のホームページの 「Q&A 」を見ていただいてありがとうございます。 早速、質問に答えさせていただきます。 地軸の傾きが0度で公転軌道が円であり公転速度が一定であれば、1日は24時間で南中時刻はいつも同じです(12時とします)。 仮に、地球が楕円軌道ではなく円軌道で公転速度が一定とした場合、地軸の傾きの効果だけを見ることができます。このように仮定した場合、太陽の黄道面での公転速度(θの速さ)は一定で、地軸が傾いているので赤道面での見かけの公転速度(θ’の速さ)が変化します。以前説明したとおり、春分と秋分では見かけの公転速度が最も遅く、逆に夏至と冬至では最も速くなります。 では、南中時刻が12時になるのはいつでしょう。それは、θ’=θになる場合です(実際に見える太陽の方向が黄道を通る太陽の方向と同じ(θ’=θ)であれば地球の自転(地軸を中心)による1日は24時間であり、南中時刻は12時だからです)。θ’≠θの場合は南中時刻は12時ではなく変化します。 ![]() 図よりθ’=θとなる地点は1年間に4つ存在します。 春分 θ’=θ= 0度(黄道と赤道が一致する) 夏至 θ’=θ=90度 秋分 θ’=θ=180度(黄道と赤道が一致する) 冬至 θ’=θ=270度 となり、1年間に4回は南中時刻が12時になります。 θ’の速さを入れてもう少し補足説明をします。 春分点では、θ’=θ= 0度で黄道と赤道が一致します。また、θ’の速さはθの速さより遅くなります。ところが夏至ではθ’=θ=90度となり再びθ’がθと一致することになります。このことから、途中でθ’の速さはθの速さより速くならならないと追いつくことができません。結果として遅くなった分を取り戻して夏至でθ’=θ=90度となります。このことを下のようにまとめることができます。 春分 θ’=θ= 0度,θ’はθより遅くなる ↓ 途中でθ’はθより速くなる 夏至 θ’=θ=90度(θに追いつく) (この間はθ’≦θとなります。これに伴い地球の自転で次の日に南中する時刻は公転する角度が少なくなった分,自転に要する時間は短くなり南中時刻は12時以前になります。) 同様な考え方で 夏至 θ’=θ= 90度,θ’はθより速くなる ↓ 途中でθ’はθより遅くなる 秋分 θ’=θ=180度(θに追いつかれる) (この間はθ’≧θとなります。これに伴い地球の自転で次の日に南中する時刻は公転する角度が多くなった分,自転に要する時間は長くなり12時以後になります。) 秋分 θ’=θ= 180度,θ’はθより遅くなる ↓ 途中でθ’はθより速くなる 冬至 θ’=θ=270度(θに追いつく) (この間はθ’≦θとなります。これに伴い地球の自転で次の日に南中する時刻は公転する角度が少なくなった分,自転に要する時間は短くなり南中時刻は12時以前になります。) 冬至 θ’=θ= 270度,θ’はθより速くなる ↓ 途中でθ’はθより遅くなる 春分 θ’=θ=360度(θに追いつかれる) (この間はθ’≧θとなります。これに伴い地球の自転で次の日に南中する時刻は公転する角度が多くなった分,自転に要する時間は長くなり12時以後になります。) このようにして下のグラフ(青色)を理解することができます。 ![]() |
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地球の自転・公転と南中時刻が早くなったり遅くなったりする現象(均時差)の関係について分かりやすい説明がありましたのでご紹介します。 均時差について https://camidion.wordpress. から抜粋しました。 ------------------------------
均時差太陽が南中する(=真南に来る)時刻は、
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先生の丁寧な解説は、大変役に立ちました。感謝しております、ありがとうございました。その後、何か完全には理解しているように思えず、色々理解を模索しました。 その結果、随分時間がかかってしまいましたが、「南中時刻の変動」がやっと満足のいく形で理解できました。 凡人には、なかなか難しい問題でした。 先生の所には素人から質問が来るとことがあるかと思います。 その際、素人の人には、私の資料が役に立つかもしれないと思い、(僭越ですが)お送りいたします。 1.地軸の傾きの影響 子供のボールを使って地軸の傾きをのモデルを作ってみました。時間のズレがよく分かります。
2.楕円運動の影響 図1の理解に一番テコずりました。 これに対し、近日点付近で速度が上がり、遠日点で速度が下がるモデルを作って調べました。このモデルは、1年が10カ月で、月に1回転(自転)するものです。これを見れば先生は何を考えているのか一目瞭然だと思いますので、説明は省きます。 本当にありがとうございました。 図1 ![]() 図2 ![]() 昨日、楕円軌道の説明がうまくいったと思って、大喜びで図を送らせて頂きましたが、昨夜、また考えていたら、お送りした解釈が間違っているかもしれないなと不安になりました。 お送りしたモデルでは近日点をスタートにしていますが、もし近日点ではない所(例えば近日点から90度離れたところ)をスタート(12時ちょうど)にしても(少しいびつかもしれませんが)正弦波もどきの(南中時刻変動)カーブはできるはずなので、 昨日のモデルが合っているのか分からなくなりました。 あの解釈で良いのでしょうか、ご指導いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。 |
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立体的なモデルや楕円軌道の図での理解は非常にわかりやすかったです。ありがとうございます。 1.地軸の傾きの影響(円軌道で公転速度一定の場合) ボールでのモデルで黄道面(平面上)でのθの進み方と赤道面(ボールの球面上)でのθ’の進み方の違いが一目瞭然でわかります。また、夏至、秋分、冬至、春分でθ=θ’となることもひと目でわかります。素晴らしいです。 計算するときは、球面三角形の公式を使って計算しますが、このボールのモデルを使うと数式を使わないで理解することができます。 2.楕円運動の影響(地軸が傾いていない場合) 楕円軌道が原因で起こる均時差についての説明の図2も非常に分かりやすいです。 角度の基準を近日点から遠日点に向かう方向を基準とし、地球の自転の図で赤い実線の矢印の基準からの角度(=等速円運動で回転した角度)がθで、それに楕円軌道効果で変化した部分(オレンジ色)を加えた回転角がθ’と理解すれば均時差が起こることも理解できます。 また、楕円軌道効果が無くθ=θ’になる点(オレンジ色の部分が0になる)は近日点と遠日点の2ヶ所であることも理解することができます。 非常に素晴らしい図2ではありますが、2つほど要望があります。 1つ目は公転軌道を楕円で描いてほしかったことです。ただ、実際の地球の公転軌道は円に近い楕円であるのでこの図で良いかもしれませんが、楕円で描いて面積速度が一定である図を描くと一定期間に公転する角度が近日点近くでは大きく、遠日点近くでは小さくなることを表現することができます。 2つ目は、左側(6月〜1月まで)の中に自転の様子の図が1つでも良いので描かれていたらと思います。1月〜6月のオレンジの部分(θ’-θ)をプラスとすると、左側のこの時期はオレンジの部分(θ’-θ)が逆(マイナス)に出てきます。マイナスからプラスになる中間は0なので、近日点と遠日点でθ’-θ=0となり均時差が0であることを理解することができます。(その後、左側(6月〜1月まで)の中に自転の様子の図を描いてもらい修正してもらいました。図2は修正後のものです。) 均時差とその原因であるθ’-θ(オレンジ色の部分)についてまとめてみました。 近日点 θ’-θ=0(均時差=0) 近日点〜遠日点(1月〜6月) θ’-θ>0 プラス(均時差もプラス、南中時刻は12時以降) 遠日点 θ’-θ=0(均時差=0) 遠日点〜近日点(6月〜1月) θ’-θ<0 マイナス(均時差もマイナス、南中時刻は12時以前) これで右下に添付してある楕円軌道における均時差のグラフとも一致します。 それから質問の件ですが、スタートを近日点ではなく別のところにしたらどうなるかという質問でした。お答えします。 基準点をαだけずらしたとします。(例えば春分を基準にするならα=約90度となります) その場合 θ→θ-α θ’→θ’-α とαを引いて基準をずらすことになります。 均時差の原因であるθ’-θは θ’-θ→(θ’-α)-(θ-α) =θ’-θ となり差を取るので基準点を変えてもθ’-θは変化しません。 このように基準点を変えても均時差の原因であるθ’-θ(図のオレンジ色の部分)は変化しないことになります。 ですから、どこを基準にしても楕円軌道における均時差のグラフは同じものを描くことができるはずです。 |
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度々すみません。図や写真はこれで良いのですが、 1.地軸の傾きの影響について
地軸の傾きのモデルについてですが、私は「赤道座標系」
だいぶ、基礎知識がたまって来られたようですので、
(平面ではなく球面を扱う数学が必要になってくるので、
ただし、ここの「Q&A」には載せていない受け取ったメールの中には球面上での角度の比較等をご希望されているようなので、正しく計算するには、球面三角形の知識が必要で球面上で見ていかなくては
2.楕円運動の影響について この図2については良いと思いますが、
提案です。
「今月の真南」→「等速円運動時の今月の真南」
「先月の真南」→「等速円運動時の先月の真南」
「今月の真南」であれば地球と太陽の中心を結ぶ線となり、
「等速円運動の時の回転角」(紫色の部分)→「等速円運動の時の1日の自転による回転角-
「等速円運動の時の回転角」は青色の矢印の回転角です。紫色の部分は地球の公転(等速円運動)が原因で起こる自転における1回転(360度)からの余剰分です。この分、
「真南と太陽のズレ」→「実際の公転(または楕円軌道)
「真南と太陽のズレ」
均時差とは等速円運動と比較してどれだけの違いが生じるか出したも
------------------------------------------------------------------------------------------------- また、等速円運動をする架空の太陽のことを平均太陽といいます。 (太陽を中心とすると地球が等速円運動で公転をしているとした場合です) この言葉を使うと 「今月の真南」→「今月の平均太陽の真南」 「先月の真南」→「先月の平均太陽の真南」 「等速円運動の時の回転角」(紫色の部分)→「平均太陽時の1日の地球自転による回転角- 「真南と太陽のズレ」→「実際の公転(または楕円軌道) でもいいかもしれません。 ------------------------------------------------------------------------------------------------- それから、7月の図は込みいって描けないのでしょうか。 以上気になった点をまとめてみました。 |
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この画像の矢印の方向が東から何度ズレているかが知りたいのですが調べる方法はあるでしょうか。赤道上で観測した時、夏至と冬至の日の出の時の東からのズレの角度が知りたいです。 よろしくお願いします。(RSさん) ![]() |
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南中高度(Θ)の式は中学校で習う通り、以下のように書くことができます。 Θ(夏至)=90°−(緯度−23.4°) Θ(冬至)=90°−(緯度+23.4°) Θ(春分・秋分)=90°−緯度 シンガポールの緯度を北緯1.17°とすると、 Θ(夏至)=90°−(1.17°−23.4°)=112.23° Θ(冬至)=90°−(1.17°+23.4°)=65.43° 北から測った夏至の高度を Θ北(夏至)とすると、 Θ北(夏至) =180°- 112.23°=67.77° となります。 また、シンガポールは赤道に近いので、太陽は春分・秋分は真東から登り、天頂を通り、真西に沈むとします。 このような近似をすると、 作図すると簡単にわかりますが、(直角三角形の合同条件を使う) 冬至の南からのズレ= Θ(冬至) 夏至の北からのズレ= Θ北(夏至) となりますので、 冬至の 東からのズレ=90°- Θ(冬至)=90°- 65.43 ° =24.57° 夏至の 東からのズレ=90°- Θ北(夏至)=90°- 67.77° =22.23° |
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再度質問申し訳ありません。 北から測った夏至の高度とはどういう事でしょうか。また、いまいち合同の図形が思い浮かばないのですが正確にはどこの三角形とどこの三角形が合同なんでしょうか。ご説明いただけると幸いです。 |
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太陽が子午線(南−天頂−北を結ぶ大円)と交わるときが一番高くなり、正中すると言います。 北半球の日本では、太陽が南の方にありますので、南中すると言いますが、南半球では太陽は北の方にあります。 北の方に正中するわけです。ですから、この場合も含めて、夏至の太陽の高度を北の方から測った角度にしました。 図を使って説明します。 ![]() ![]() 真横から見た図の△OAHと真上から見た図△OPH が合同です。 よって∠AOH=∠POH となります。 ∠AOH=Θ(冬至), ∠POH =90°−冬至の東からのズレ ですから 冬至の東からのズレ=90°−Θ(冬至) また、夏至においても同様なことが言えます。 横から見た図の△OBMと上から見た図△OQM が合同です。 よって∠BOM=∠QOM となります。 ∠BOM= Θ北(夏至) , ∠QOM =90°−夏至の東からのズレ ですから 夏至の東からのズレ=90°−Θ北(夏至) となります。 |
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夏至の日は、南面よりも北面の方が日照時間が長いのに、 (匿名) |
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ご質問にお答えします。
![]() 図1 太陽の高度と日射量 ![]() 図2 季節における太陽の通り道 図1より、地上での日射量の大きさはA>B>C>Dとなり、太陽高度と密接に関係しています。 |
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最近、日の出の時刻と日の入りの時刻の変化のずれが気になって調べています。 冬至以降は日の入りの時刻は遅くなりますが、日の出の時刻は早くならずむしろ遅くなります。 日の出と日の入りの時刻の変化が同じように推移しない理由は 「均時差」があるからと解説されているものが多いようですが、 この関係がどうもストンと頭に入らないので教えていただきたいのです。 なぜ、日の入りの時刻が遅くなっているのに、日の出の時刻も遅くなる時期があるのでしょうか? また、「均時差」からどのように理解したらよいのでしょうか? よろしくお願いします。 (50歳の山形県在住) |
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ご質問にお答えします。
このことを考える時に、日の出の時刻と日の入りの時刻がどのようにして計算できるかを考えると分かりやすいと思います。 太陽が南中するということは、1日の中で太陽が一番高い位置に有り、日の出と日の入りの真ん中に位置します。すなわち、南中時刻から昼の長さの半分を引くと日の出の時刻になり、南中時刻に昼の長さの半分を加えると、日の入りの時刻になります。 日の出の時刻 =南中時刻−(昼の長さ/2)・・・@ 日の入の時刻 =南中時刻+(昼の長さ/2)・・・A として表すことができます。 南中時刻がいつも12時であれば、日の出の時刻、日の入の時刻は昼の長さだけの関数になり、冬至の日は昼の長さが一番短く、@より日の出の時刻は一年で一番遅くなり、Aより日の入りの時刻は、一年で一番早くなります。 しかし、ご存じの通り、地球の軌道は楕円であり、地軸が傾いているということが原因で、1日たったら太陽は元の位置に見えるとは限りません。このことから、南中時刻も12時であるとは限りません。12時からからずれてきます。そのずれが均時差になります。式で書くと次のようになります。 南中時刻=12時−均時差・・・B Bを@、Aに代入すると 日の出の時刻 =12時−均時差−(昼の長さ/2)・・・@’ 日の入の時刻 =12時−均時差+(昼の長さ/2)・・・A’ となり、日の出の時刻、日の入りの時刻は、均時差と昼の長さの関数となり複雑になります。 すなわち冬至の時には昼の長さは一番短くなりますが、均時差があるので、@’より日の出の時刻が一年で一番遅くなるとは限りません。また、A’より日の入りの時刻は、一年で一番早いとはいえなくなります。均時差の分だけずれてきます。 赤道付近では、昼の長さは1年中ほぼ12時間で、変化が少なく、均時差の影響をもろに見ることができます。ご質問のとおり、日の入りの時刻が遅くなっているのに、日の出の時刻も遅くなる現象が起こっています。(下図参照) エクアドル(赤道付近)での「サン・アースくん」を使った計算結果です。 ![]() |
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初めまして。30代主婦です。小中学生の頃は天文が好きでした。 どうしても理解できないことがあり、質問いたします。
なぜ夏至や冬至間近には昼間の長さの変化が少なくなるのでしょうか?
太陽と地球からの距離は一定なので、昼間の長さの変化が一定でないのが不思議です。
インターネットで調べたところ、東京の昼の長さですが、
10月28日→11月27日では昼の長さが1時間短くなっていますが
11月27日→12月27日では15分程度しか短くなっていないのです。
(札幌在住 女性 主婦)
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なぜ夏至や冬至間近には昼間の長さの変化が少なくなるのでしょうか?という質問ですね。 下の図は季節ごとの太陽の通り道を表した図ですが、南中高度(太陽が真南に来た時の太陽の高度)が高いと昼の長さが長いことがわかります。 ![]() ![]() (太陽が通る赤い線の長さが昼の長さを表します。) 次に、「サン・アースくん」で計算した札幌の南中高度の1年間の変化を下の図で示します。 ![]() 左の図は1年間の昼夜の長さを表す図で、黄色が昼の長さ、青が夜の長さを表しています。 また、右の図は1年間の南中高度の変化を表している図です。 (南中高度の図ですが、夏は南中高度が高く、冬は低くなることを1年間周期で繰り返しますので、 このようなグラフになることは予想がつかれると思います。) 冬至近く(12月頃)は南中高度のグラフは谷にあたり、南中高度の変化は非常に少なくなります。 ということは昼の長さの変化も少なくなるということになります。 また、夏至(6月頃)は南中高度のグラフは山にあたり、この時も南中高度の変化が非常に少なくなります。 ですから夏至も昼の長さの変化が少ないということになります。 逆に春分(3月頃)や秋分(9月頃)は南中高度のグラフの変化が激しくなります。 すなわち、春分、秋分のころは昼の長さの変化が大きくなるということになります。 [地球の外から見ての説明] 南中高度の変化があるから、このような昼夜の変化があるのですね。 また、地球の外に出て考えてみるともっとよくわかります。南中高度がこのような周期的変化をする原因は、 地球が地軸を傾けながら、公転運動をしているからですね。 (地軸が傾いていないと昼夜の長さの変化はありませんし、公転運動をしているからこそ周期的変化が生じます。) すなわち、昼夜の長さの変化が一定でないのは、地球が地軸を傾けながら、公転運動をしているからです。 |
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お忙しいのに、さっそくご回答いただいて、本当にありがとうございます。
先生のご説明を見ながら、HPも見ながら、2時間、考えました。
南中高度の変化があるから、昼夜の変化が起こる
地軸が傾いているため、昼夜の長さに変化が起こる
地球が太陽の周りを公転運動しているため、周期的な昼夜の長さの変化が起こる。
以上は分かったのですが、
なぜ・・・なぜ!
冬至や夏至の南中高度の変化は少なくて
秋分・春分付近の南中高度の変化は大きくなるのでしょう・・・
だって、太陽から観測点までの距離の変化は一定ではないでしょうか?
どうしてそういう結果になるのでしょう
理解ができなくて申し訳ありません。
どうしても、ちゃんと分かりたくて、再度メールしてしまいました。
(札幌在住 女性 主婦) |
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鋭いご指摘です。私もどう説明してよいか数時間考えました。また、他のページを調べたりしました。 ヒントになりそうなページが見つかりましたのでご紹介します。
このページの図を使って説明します。
(視点を変えた図です。地軸をまっすぐに立て、地球(水色)を固定して太陽(朱色)が公転しているという見方の図です。
黄色い面は赤道を延長した面になっています。) ![]() 簡単にするために北極(この図での地球の頂上)に立って観測したとします。この場合、南中高度は黄色い面からの高度になります。 夏至と冬至のころは、太陽は横に(黄色の平面と平行に)だけ動き、南中高度(高さ)にはほとんど変化を与えません。 しかし、春分と秋分のころは、斜めに動き黄色い面から上下に動く成分があり、南中高度(高さ)が大変変化します。 北極だけでなく、他の地域で観測しても同様なことが言えますので、 冬至、夏至では南中高度は変化ほとんど変化しない→すなわち昼夜の長さもほとんど変化しない。 春分、秋分では南中高度は変化が大きい→昼夜の長さの変化も大きい。 となると思います。 |
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ありがとうございます!! 先生の手を長時間わずらわせてしまって・・・ 本当に申し訳ありません。 でも、おかげさまでわかりました。 図がとても分かりやすかったです。 先生の図をヒントに考えました 例えば、私が北極点でフラフープを地面と平行に持つ。フラフープ上の点Aは常に真南向く。太陽を見る。
図1のフラフープの斜線を引いてある面を面Bとする。
冬至や夏至付近ははフラフープの面Bに対して、太陽との位置の変化は横方向だから、南中高度の変化は少ない。![]() ![]() 日々のフラフープの面Bと南中した太陽との角度(図2の角度C)の変化も少ない。 >それに対し、秋分や春分付近はフラフープの面Bに対し、太陽との位置の変化は縦方向だから、南中高度の変化は大きい。 日々の角度Cの変化が大きい。 以上まとまりました。 どうもありがとうございました。 (札幌在住 女性 主婦) |
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フラフープとはよいアイデアですね。 A点をすぐに太陽の方向に向けられますね。 疑問の解決のお手伝いができてよかったです。 私も大変勉強になりました。ありがとうございました。 |
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私は小学三年生です。夏におばあちゃんのいる新潟県に行きました。そのとき太陽が山から上って海にしずんでいきました。私が住んでいる神奈川県小田原市は海から上って山にしずんでいきます。なぜですか 自由研究で新潟県と神奈川県のちがいを調べているけれど、この問題だけ、わかりません。わかったら教えてください。
(神奈川県小田原市 小学校3年生 ひな さん)
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太陽の昇る場所や沈む場所についての質問ですね。 太陽が山から登って海に沈むと言うような決まりはありません。
自由研究だから答えは言いませんが、太陽が昇ったり、沈んだりする(東西南北の)方向に注目してみたら法則が分かると思います。
自由研究しっかりとがんばってください。
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返事ありがとうございます。社会で東西南北を習ったばかりです。思い出して、考えてみます。
(神奈川県小田原市 小学校3年生 ひな さん)
数日後 東西南北を考えながら調べてみました。
太陽は東から西へしずむことがわかりました。だから小田原は東の海から太陽がのぼって、西の山へしずむ。にいがたの柏崎は東の山から太陽がのぼって、西の海へしずむ。
これで どうですか。
でもまたわからないことがでてきました。柏崎は小田原より後から太陽がのぼるのか またふしぎです。
(神奈川県小田原市 小学校3年生 ひな さん) |
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正解です。よく気づきましたね。 また、観測する場所が違うと太陽の昇る時刻がちがうことに気づくとはたいしたものです。
西に行くほど太陽がのぼる時刻が遅くなります。
インターネットでいろいろな地域の日の出の時刻を調べてもおもしろいですね。
また、日の入りの時刻はどうなっているのでしょう。
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私は愛知県の小学6年生です。
この夏ロシアのウラジオストクにホームステイしたのですが夜遅くなっても暗くならなかったのがとても不思議でした。
日本だと、7時頃には暗くなるのになぜでしょうか?時差があるからでしょうか?
よろしくお願いします。(愛知県の小学6年生)
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大変よい質問だと思います。 分かりやすいように夏至頃(2010年6月20日)のデータで説明します。
○ ウラジオストック
緯度=43度、経度=132度、2010年度の日の入りの時刻=19時54分(サン・アースくんで計算)
○ 愛知県(名古屋)
緯度=35度、経度=137度、2010年度の日の入りの時刻=19時 9分(サン・アースくんで計算)
この結果を見るとウラジオストックの方が45分、日の入りが遅くなります。
夏にウラジオストックの日の入りが遅くなる理由は2つあります。
1つは、ご指摘のように時差のせいです。これは経度の差によって起こります。
計算するとウラジオストックと名古屋の経度差は137度−132度=5度
5度は時間にすると5度×24時間×60分/360度=20分です。
2つめは、緯度の差による影響です。ウラジオストックのように緯度が高くなると、夏至頃の日の入りの時刻は遅くなります。これは地軸が傾いているからです。
下図の「真横から見た図」や「地軸の真上から見た図」で緯度を変えて作図して見てください。緯度の違いで日の入りの時刻が変わることが分かります。
ウラジオストックと名古屋の緯度の差は43度−35度=8度の緯度の差があります。
サン・アースくんで計算してみますと。経度を同じにして緯度を8度変化させると25分、日の入りの時刻が遅くなることが分かりました。
すなわち、
日の入りの時刻の遅れ=時差(経度の差)+地軸の傾きによる影響(緯度の差)
45分 = 20分 + 25分
となります。
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◎12月下旬に昼間の長さがもっとも長くなるのは? ◎3月下旬現地の正午における太陽高度が最も高くなるのは? @南緯33.4度の都市 A南緯13.4度 B北緯13.4度 C赤道上 D北緯33.4度 E南緯23.4度 F北緯23.4度 というような問題がたくさん宿題として出たんですけど、どうやってとけばよいのかわからなくて困っています。解き方を教えてください。(匿名希望) |
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宿題なので答えは自分で出していただくことにして、考え方を書きます。 大切なことは @赤道に近いほど、季節によって昼の長さの変化はないということ。(昼夜が12時間ずつ) 逆に、緯度が(南緯も北緯)大きいほど昼夜の長さの変化が大きくなります。 A赤道上では、春分の日、秋分の日には南中高度が90度になること(下図)。 ![]() 1番目の問題のヒントは、12月下旬(冬至)に昼の長さが長くなるのは南半球です。それから@のことを考えてください。 2番目の問題のヒントは3月下旬は(春分の日)であることと、Aから考えてください。 |
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なぜ赤道付近に四季がなくてなぜ日本には四季があるのですか?できれば図を使って説明してもらえますか?(愛知の学生) |
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下の図は太陽の位置(高度)と地上で同じ面積に受ける日射量の関係を示した図です。 太陽高度が高いと日射量も多いということが一目で分かります。(ここまでは中学校の教科書にのっています) ご質問件に関して、注意して見てもらいたいのは、A,Bの場合は日射量はほぼ変わりませんが、C,Dは変化が大きいということです。 すなわち、太陽高度が高いときにはそれほど日射量に変化はなく、太陽高度が低いほど日射量の変化は大きいということです。 (太陽高度をθとすると日射量はsinθに比例し、日射量の変化はcosθに比例します。) ![]() 日本では下の図のように南中高度が約20°(12月)〜約80°(6月)の間で変化しますので、日射量の変化も大きく、温度差があり、四季が感じられるのです。 ![]() 日本での太陽の動き それに比べ、赤道付近での南中高度は約70°(12月)〜約110°(6月)の間で変化しますので、日射量の変化が小さく、温度差が少なく、四季が感じられないのです。 ![]() 赤道付近での太陽の動き |
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昔から疑問に思っていたことについて質問致します。 昔から、夏至を10日ほど過ぎた日が、一年で最も日の入りが遅く、夏至の10日ほど前の日が、最も日の出が早いことに疑問を持っていました。すなわち、南中時刻の変化がなぜ起こるのか、疑問に思っていました。 つい最近、貴ホームページを見つけ、南中時刻の変化が地軸の傾きと公転軌道が楕円であることが原因との解説を見つけました。公転軌道の南中時刻への影響は、ケプラーの法則から理解できますが、最も角速度の遅いはずである遠日点付近でも南中時刻がだんだん遅れていく事実を見ると、地軸の傾きの方が影響度が大きいように思われます。 地軸の傾きが南中時刻にどのように影響を与えるのか、物理的な意味合いをもう少し解説していただけないでしょうか。(愛知県の40歳の男性) |
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南中時刻が変化するということは、1日経っても太陽が同じ位置に見えないということです。 その原因として、「地球の公転軌道が楕円であること」と、「地軸が傾いていること」が原因であるということを書きました。 1 まず、楕円軌道をとるとなぜ南中時刻が変化するかというとを説明します。 地球の公転軌道は楕円なので一定の速さで公転しているのではありません。公転速度は太陽から遠ざかると遅く、近づくと速くなったりしていますので、太陽は1日経っても元の位置には見えないということになります。 2 次に、地軸が傾いて公転していると、なぜ南中時刻が変化するかということを説明します。 地軸が傾いているということは、地軸に対して(地球に対して)太陽が斜めに当たっていると考えることができます。日にち(季節)によってそのあたり方が変化していきます。 次に、見方を変えて、太陽が地球の周りを回転(公転)していると考えることにしましょう。太陽が(黄道面)で地球の周りを回転する角度を(θ)とします。 (注意:このθは自転運動の角度ではなく、公転運動による角度を表しています。) 私たちは地球上にいるので、赤道面での太陽の回転角(θ’)を観測することになります。 次に、春分点付近を見てみることにします。地軸の傾きがあるのでθとθ’の進む速さは違ってきます。(図を参照) ![]() 春分点近くではθ´<θという関係になり、見かけ上太陽の公転速度は遅くなります。つまり、春分と秋分では見かけの公転速度が最も遅く、逆に夏至と冬至では最も速くなります。 このことが原因で、1日経っても太陽が、同じ位置に見えず、南中時刻が変化していくのです。 同様な説明を見つけましたので、URLを書いておきます。 http://www005.upp.so-net.ne.jp/yoshida_n/qa_a18.htm http://www.nao.ac.jp/J/QA/faq/a0107.html また、日の出と日の入りの速さについては http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KOHO/faq/astro/sunrise.html が参考になります。 では、南中時刻に与える「楕円軌道効果」と「地軸の傾きの効果」はどれくらいか見ていきましょう。 グラフを見てください。(よく見る近似差のグラフとは逆になっています。) それぞれの効果が季節ごとにどのように現れるかわかるでしょう。 ご質問の通り、夏(200日頃)は地軸の傾きによる影響が大きいようです。 ![]() 2005年,北緯35度,東経135度として計算した結果です。日にちは1月1日をはじめとしています。 (グラフがギザギザなのは1分以下は四捨五入しているからです。) 計算は「サン・アースくん」を少し改良して行いました。計算結果はここにまとめています。 |
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透明半球上で太陽が一時間に動く距離は季節によって変わるのでしょうか。地球の自 転の速さは一定なので変わらない気がしますが、透明半球で考えると夏至、冬至と春 分、秋分では太陽の通る道の長さが違うように見え、一日の長さは一定なので春分、 秋分が最も速くなるようにも思えます。また透明半球上ではなく実際に太陽を見たと きにそれが動く速さはどうなのでしょうか。教えてください。(愛知在住の中学三年生) |
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1日で1回転しますので、季節に関係なく1時間に動く角度は15度と一定です。
ところが、太陽が透明半球上を動く円の大きさが夏と冬では小さく、春分の日と 秋分の日が一番大きな円(大円)になります。 ですから、回転する角度の速さが一定ならば、大きな円ほど速く動くことになります。 答えは、ご指摘の通り、太陽は、春分、秋分が最も速く透明半球上を動きます。 また、実際に太陽を観察しても同様なことがいえます。 ![]() |
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質問したいことがあります。日本の夏と冬はどちらが長いのですか?物理的な根拠も教えてください。(新潟県新潟市に住む、19歳男、学生) |
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以前の質問の答えに
「地球はほぼ一定の速さで公転していますが、厳密に言えば、一定ではありません。 公転軌道は楕円(ほとんど円に近い)ですので、太陽に近いところと、遠いところが でてきます。近いところは、それだけ、太陽の引力が強いので速くなります。 また、遠いところは、太陽の引力が弱いので、遅くなります。 もっと興味がある人は、物理の本を読んでみてください、一定の法則があって、面積速度が一定になるように公転しています。」 と書いています。
太陽に一番近いのは近日点で、1月(日本では冬)ですから、冬は太陽の重力に引かれ速く
公転しています。それに比べて夏は太陽から離れていますのでゆっくり公転します。
(実際はほとんど円軌道に近いのでそれほど差はありません。)
よって冬は短く、夏は長いということになります。
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世界の有名な国などの太陽の動きを図で表してもらえませんか・・??それで国によっての違いを知りたいのですが???(安藤 さん) |
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「サン・アースくん」を使うと世界各地のおおかたの太陽の動きが分かります。 私のホームページのトップからサン・アースくんのバナーをクリックしてください。
次に、「7 サン・アースくんの教育利用について」をクリックしてください。 「c 太陽の動きと星の動きの推測」の中に例として、日本(佐賀)、エクアドル、南極の例を示しています。
太陽の動きは、地軸(北極星を通る)を中心として回転させることでその軌跡を見ることで分かります。
ですからこの図で、おおかたの太陽の動きが分かります。
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地球の太陽の周りを公転する軌道の動きは一定の速さなんですか? また、そのように考える理由も教えていただけないでしょうか?(匿名) |
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ほぼ一定の速さで公転していますが、厳密に言えば、一定ではありません。 公転軌道は楕円(ほとんど円に近い)ですので、太陽に近いところと、遠いところが でてきます。近いところは、それだけ、太陽の引力が強いので速くなります。 また、遠いところは、太陽の引力が弱いので、遅くなります。 もっと興味がある人は、物理の本を読んでみてください、一定の法則があって、面積速度が一定になるように公転しています。 |
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・ 南中高度が一番高いのは6月なのに気温が高いのは8月なのはなぜ?(沖縄県・中3女)
・ 夏至の後や冬至の後は暑くなったり寒くなったりするのはなぜですか?(匿名) |
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夏至の日が一番太陽が高く、冬至の日が一番太陽が低いのに、なぜ一番暑くないのか、寒くないのかという質問だと思います。 それは、物が暖まるときには、時間がかかるからです。 空気の温度(気温)は、直接太陽光線が暖めているのではありません。 まず、太陽光線は空気を通り抜けて、地面を暖めます。次にその地面が空気を暖めます。このようなことで気温は上がっていきます。大きな地域(日本)全体の気温が上がっていくためには時間がかかります。(2ヶ月ぐらい) だから、8月があついのです。 逆に太陽の高度が一番低いのは12月です。冷えるのにも時間がかかりますから、2月が一番寒いのです。 |
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私は今、理科で天体を勉強しています。そこで、 「太陽が昇る場所や沈む場所が季節によって変化する仕組みを説明する」という自由課題が出されました。 取り組むも、取り組まないも自由なのですが、理科はとても好きな科目であるので、取り組んでみることに致しました。 地軸の傾きによっての季節の変化 の発展としての課題ですので、地球の、公転や自転だけでなく、地軸の傾きを用いて考える、ということだそうです。自ら図を用いて考えてみたのですが分からず、インターネットで調べたりもしたのですが、良い情報を得られませんでした。そして、このサイトにたどり着きました。とても、興味ある内容でしたので、一通り、すべてのページを拝見させていただきました。その中で、『太陽の昇る位置、沈む位置が季節ごとになぜ変わるのか、よくわかりません。』と、書かれているのを見つけました。 ということは、課題は解決できないという事なのでしょうか。もし、解決できるようでしたら、説明していただけませんでしょうか。(新潟に住む中学三年) |
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ご指摘の通りです。このホームページでは、太陽の昇る位置、沈む位置が季節ごとに変わる理由は述べていません。 地球上にいたら、その理由がはっきりせず、昼の長さ、夜の長さも季節ごとに変化する理由が分からないことになるので、地球外にでて調べる必要があるということを言いたかったのです。 この質問の答えを言ってしまっては、自由課題の答えを言ってしまいますので、ヒントを言いたいと思います。次の通りに考えてみてください。 1 地球上にいて考えては分からないので地球外にでて考えてみましょう。私のホームページの「考えよう地球の外から」を使ってください。 2 地軸の傾きを0度にします。そのときに南中高度は季節によって変化するかどうかを調べてください。(作図をして夏至と冬至で比べてみてください。) 3 次に、地軸を傾け、同様に南中高度は季節によって変化するかどうかを調べてください。(これも作図をして夏至と冬至で比べてみてください。また、「チャレンジ」のコーナーの「より正確な地軸の傾きを求めよう4」でも確かめることができます。) 4 2と3を比べると南中高度が季節ごとに変化する理由は、地軸が傾いていることが原因であることが分かるでしょう。 5 再び、地球上に戻って考えます。「考えよう地球上で」のページを使ってください。透明半球の図で南中高度が季節ごとに変化するならば、日の出と日の入りの位置は変化するでしょうか考えてください。 6 日の出日の入りの位置が変化するのは地軸が傾いているからであることを透明半球の作図で確かめてください。このとき、太陽は、地軸を回転の軸として回っていることを忘れないでください。(「サン・アースくん」の「サン・アースくんの教育利用について」も役に立ちます。http://www.saga-ed.jp/workshop/edq01460/a-su/setumei/kyouiku.htm) (逆に地軸が傾いていないときの日の出日の入りの位置がどうなるか作図してみてください。) まとめますと以下のようになります。 地球外に出て考える。→地軸の傾きと南中高度の関係を調べる。→地球上に戻って考えて南中高度と日の出日の入りの位置を考える。→日の出日の入りの位置が変化するのは地軸が傾いているからであることを作図で確かめる。 この解決方法を「チャレンジ」のコーナーの「太陽が昇る場所や沈む場所が季節によって変化する理由を考えよう」に追加したいと思います。 |
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はじめまして。聞きたいことがあります。
北極や南極にも日の出や日の入りはあるんですか?
あるとしたら、何回くらいあるんですか?
(kano さん) |
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ご質問にお答えします。 北極点(北緯度90度)で考えます。下の図を見てください。
これは、「サン・アースくん」を使って北極点の夏と春の太陽の状態を表した図です。
北極点での地軸の方向は北極点から真上の方向(もちろん真下にも)に伸びていて、
この地軸を中心にして太陽は回転しています。(円を描いている)
ということは、太陽は観測者のまわりを円を描いて回転することになります。
ですから
夏は日が沈まず1日中昼です。
春は同じように、太陽が地平線近くで回転した状態です。
冬は太陽が地平線より下で回転しますので、1日中夜です。
このことから、春分の日を境に1日中夜の状態から1日中の昼の状態に変化することが分かるでしょう。
同じように、秋分の日を境に1日中昼の状態から1日中夜の状態に変化することも想像することができます。
春分の日の、秋分の日は太陽が半分頭を出し、地平線上を回っている状態です。
答えは、北極点(南極点)では地平面に平行に太陽は回転しているので、日の出、日の入りはありません。
ただし、「サン・アースくん」で試してみましたが、緯度が90度より少し低い場合たとえば89度ぐらいでは数日間、日の出と日の入りがあります。
![]() 北極点での太陽の動き(夏)
![]() 北極点での太陽の動き(春)
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質問です。 四季があるのは地軸の傾きのせいである、と言われていますよね。
四季の変化に地球の軌道は関係ないのでしょうか?
Q&Aに、「地軸の傾きが0の場合、世界中で季節変化がなくなり、日本は1年中春のような季節の日が続く」とあります。(前の質問の答え) 地球の軌道は、ほぼ完全な円でしょうか?それとも楕円なのでしょうか?
例えば軌道が極端に楕円であるならば、地球の地軸の傾きが0であっても季節変化はあると思うのですがどうなのでしょうか?(例として、地球の軌道の半径が、太陽を中心として夏:冬が1:5の割合だった場合とか。つまり、1年中日照時間が同じであっても、太陽との距離が近距離ならそのぶん地球は温まるから夏のようになり、遠距離にあれば温まらないから冬のようになるとか。)
つまり、四季があるのは地軸の傾きだけのせいなのでしょうか? (愛知県名古屋市内 会社員 女 32歳)
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地球の軌道が円から遠く離れている場合は、書いていただいたように
地軸の傾きだけではなく、太陽と地球の距離に関係して、季節が変化
していくでしょう。ただし、現在の地球の公転軌道は、楕円軌道とい
ってもほぼ円に近いものです。
これは、私のホームページの「チャレンジ」の「楕円軌道の効果を確かめよう」
からも分かるように、地球の公転の軌道の離心率は0.0167となっており、ほぼ
円に近いものです。
ですから、太陽と地球の距離に関係しての温度変化はほとんど無い
ものと見なしてよいでしょう。
このことから、地球の季節変化は地軸の傾きが主な原因となります。
これから分かるとおり、太陽に一番近くなっても夏にはなりません。楕円軌道の 効果は、ほとんど無視できるくらい小さなものです。) |
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もしも地軸が傾いていなかったら地球はどうなるんですか?私たちの暮らしに影響するんですか? 教えてください。(横浜市中学3年生) |
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地軸が傾いていなければどうなるかは私のホームページ http://www.saga-ed.jp/workshop/edq01460/の 「考えよう地球の外から」で地軸の傾きを0度にしてみてください。 とくに四季における図を見ればよく分かります。 まず、1年中昼の長さと夜の長さが同じになります。(12時間ずつ) 次に、南中高度も1年中変化しません。 このことから、分かることは1年中世界中で季節的変化が無くなります。 赤道付近は1年中夏、北極付近は1年中冬、日本などは1年中春 のような気候になるでしょう。 また、そのような気候に適した生物が住むので、今の生物分布が 変化することは間違いありません。 他にも、いろいろな立場から考えることもおもしろいですね。 |
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この間数学の先生からやっかいな問題が出ました。 問い:皆さんも良く知っている通り、地球は1日(24時間)で一回転しています。だから、地球上にいる我々も一日で一回転していることになりますね。では、赤道上にいる人と、東京にいる人の移動する速さは、どちらがどれだけ速いですか? というものです。私もネットなどで調べてみたのですが、なかなかいい手がかりが見つかりません。どうやって解けばいいのか、計算式やデータを詳しく教えて下さい。(中学3年女子) |
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まず,赤道上にいる人の速さV[km/時]を出してみます。 Rを地球の半径(6400km)とすると,円周上を24時間で回りますので, V[km/時]=2πR/24=2×3.14×6400/24=約1670[km/時] となります。 (1) 東京にいる人も円周上を1日に1回転しています,その半径は赤道上 の半径より小さくなります。それを r とし,東京の緯度(35°)とすると, r = R×cos(35°) で表されます。(cosは高等学校の1年生で習います。) = 6400×0.82 = 約5250km これが分からない場合は下の図を見てノートに△OATの縮図を書き,r を求めてください。 これは,数学の相似のところで習っていると思います。とにかく r を求めてください。 地軸(この軸を中心に自転) | r (東京の半径) A|----------------T 東京 | 90° / | / | / | /R=6400km | 55° / | / | / /緯度 35° O----------------------- ↑ R 赤道の半径6400km | 地球の中心 r が求まったら赤道上で計算したのと同じやり方で東京での速さを出すことができます。 東京にいる人の速さ(v[km/時])とすると, v[km/時]=2πr/24=2×3.14×5250/24=約1370[km/時]となります。 (2) (1)と(2)を比較すると赤道上の人が300km/時 速いということになります。 |
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ぼくは、奈良にすむ小学1年生です。 このごろ、日がしずむのがはやいですが、そのわけをもうすこしやさしくおしえてください。 ここにかいていることは、ぼくにはむずかしくてわかりません。でも、なつとふゆで日がしずむはやさがちがうのがふしぎで、きになります。よろしくおねがいします。(奈良県 小学1年) |
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くわしいりゅうは,中学校の3年生でならいます。 かんたんにせつめいします。 日によってたいようののぼるばしょとしずむばしょがちがうことはわたしのホームページを見ればわかりますね。 たいようののぼるばしょとしずむばしょがちがうと,ひるの長さとよるの長さがちがってくることはわかりますか?(下の図を見てください。) ふゆはひるのぶぶんがみじかく,なつはひるのぶぶんがながいですね。 はる(しゅんぶんのひ)とあき(しゅうぶんのひ)はひるのぶぶんがかくれているよるのぶぶんとおなじながさになります。 ひるの長さとよるの長さがかわるということは,日の出や日の入りのじこくもかわってくるということです。 ![]() |
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南中時刻、南中高度は日によって変わるんですか? また、それは何故なんですか?(中川 様) |
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南中高度が変化する理由について 南中高度が変化する原因は地球が地軸を傾けながら公転しているからです。もし,地軸が傾いていない時には南中高度は一定のままです。(一年中南中高度は同じです。) くわしいことは図を書かないと分かりません。ちょっと難しくなりなりますが。私のページの「チャレンジのコーナー」の「より正確な地軸の傾きを求めよう4」 (夏至や冬至の南中高度から地軸の傾きを求める。) に詳しく,冬至と夏至のことについて解説しています。 また,「サン・アースくん」でも地軸の傾きを0度にして確かめることができます。 南中時刻が変化する理由について 南中時刻が変化するのは地球が地軸を傾けて公転していることと,公転軌道が楕円であることが原因です。 これは難しい計算をしないと分かりませんが,「サン・アースくん」で,地軸の傾きを0度と地球の公転軌道を円軌道とすると,南中時刻は1年中一定時刻になります。 |
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なぜ地軸は23.4度傾いているんですか?どういう計算で23.4度が出てくるんですか?(中村 様) |
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地軸の傾きと関係ある式を紹介します。それから逆に地軸の傾きを求めることができるのではないでしょうか。 冬至の時の南中高度=90度−観測地点の緯度−地軸の傾き ・・・@ 夏至の時の南中高度=90度−観測地点の緯度+地軸の傾き ・・・A となるので、冬至か夏至の日の南中高度を観測し、その地点の緯度が分かれば地軸の傾きは出せると思います。 また、 (A−@)÷2から 地軸の傾き=(夏至の時の南中高度−冬至の時の南中高度)÷2 となり、夏至と冬至の南中高度を観測すれば地軸の傾きを出すことができます。 くわしい解説と実際の計算を「チャレンジ」のコーナーの「より正確な地軸の傾きを求めよう4」に載せました。 |
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日出、日の入時刻に関する質問にお答えください。 1.岡山と千葉では、日出の時刻の差が1、2月ごろで20分7,8月ごろで25分あります。日出の時刻の差は一年中同じと思っていたのですが、このように季節によって違ってくる理由を教えてください。 2.札幌と千葉の初日の出の時間を調べたところ、札幌のほうが千葉より東にあるので初日の出の時間が早いと思っていたのに、千葉が6:49で札幌が7:06でした。また夏至の日の入は千葉のほうが西にあるので札幌より遅いと思っていたのが、千葉18:58、札幌19:17でした。この理由を教えてください。(倉敷市 中学一年) |
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大変良いところに気がつかれたと思います。
1の質問で、緯度がまったく同じであれば季節による日の出の時刻差の違いは出てこないはずです。
緯度が少し違うので、5分ぐらいの差が出てきたと思います。 なぜこの差が出てくるのか。この原因は地軸が傾いているからです。くわしくは2の質問の答えと同じになります。 2の質問の答えです。
地軸が傾いていなければ、緯度が異なっても、東に行けば行くほど日の出の時刻も日の入りの時刻も早くなります。 ところが、地軸が傾いていると、光の当たり方が季節によって異なるので、日の出の時刻が夏と冬では逆転する場合があります。 下の絵をご覧ください。Aを札幌、Bを千葉と思ってください。 地軸が傾いている図は冬の状態を表しています。日の出は千葉の方が早くなっていますね。夏至の日の入りも同様に説明できますので考えてみてください。
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僕はキト日本人学校の六年生です。学校から北へ8qのところに赤道標があります。春分と秋分の日の十二時頃に南中高度が90°になって影がなくなります。赤道付近の南中高度は一年中90°なのですか。教えてください。(エクアドル共和国 キト日本人学校 六年) |
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下の画像を見てください。
確かに秋分・秋分の日に赤道では、南中時に真上から照らされて、南中高度は90度になります。 ところが、12月ごろは太陽が南よりにあるので、南中している時でも太陽は真上にはきません。南中高度は90度より小さく、影は北側にできます。 また、反対に、6月ごろは太陽が北よりにあるので、南中高度は90度より大きく(北の方から測った高度は90度より低い)、影は南側にできます。
赤道上での太陽の動き ![]() |
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そもそも、地軸はなぜ傾いているのでしょうか? 教えてください。(長野県 えみ さん) |
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しかし、これだけの影響で現在の地軸の傾きが決まったとはいえないということが分かりました。 |
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自分の住んでいるところの日の出日の入りの時刻はわかりますが、各地の日の出日の入りの時刻を知りたいのです。何か良い方法はないでしょうか?(佐賀県佐賀市立城南中学校 1年) |
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白夜とは何ですか?(佐賀県佐賀市立城南中学校 1年) |
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天王星の地軸の傾きは90度に近いそうですが、昼の長さ夜の長さはどうなっているのですか。?(佐賀県佐賀市立城南中学校 1年) |
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天王星の地軸(回転の中心軸)の傾きは98度で、公転周期は84年ですので、42年間は昼が長く、残りの42年間は夜が長くなっています。また、場所によっては、1日中昼、1日中夜というところも出てきます。これは、地球を天王星に見立てると、「考えよう地球の外から」でも再現できますので。試してみてください。 |
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地軸の傾きは、いつも同じで、変化しないのですか?(佐賀県弘学館中学校 3年) |
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地軸の傾きは数百年単位ではほとんど変化しません。数万年単位で測定すると、22度〜24.5度の間で変化しているそうです。(参考http://ksgeo.kj.yamagata-u.ac.jp/~kazsan/class/chronology/milankovitch.html) |